解説
波間に鴛鴦が戯れる様子を刺繡と鹿の子絞りであらわします。大胆に孤を描く網干模様は、波のようにデフォルメされ、また筍のようにも見え、遊び心満点です。腰部分を空けた弧を描くような躍動的なデザインは、町方の経済力を背景に寛文年間(1661-1673)に流行しました。ルビ:ししゅう、か のこしぼ、あぼし、たけのこ
小袖とは、袖口の開きが狭いという意味から来る名称で、今の着物の原型です。
波間に、鴛鴦(おしどり)が遊んでいる様子が、刺繍と鹿の子絞り(かのこしぼり)で表されています。先のとがったかたちが、左上に向かって弧を描くようにいくつも表されています。これはいったい何でしょうか。
ネットのような格子柄からすると、海辺で漁師が干している網をデザイン化した、網干(あぼし)もようと思われます。しかし、それぞれが同じ方向に弧を描く動きや、左側を縁取る金色の刺繍の部分を見ると、高波にも見えてきます。はたまた、ところどころに飛び出す緑色の草のようなものを見ると、タケノコが群れて生えているようにも思えます。
見るたびにさまざまなものに見立てることができる、遊び心にあふれたデザインです。
左半身に空間を広くとった動きのあるデザインの構成は、寛文年間(1661-1673)の小袖の特徴といえます。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/07/20