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片輪車螺鈿手箱 Box for Personal Items with a Design of Carriage Wheels in Waterかたわぐるまらでんてばこ

解説

 箱の表面は金粉を密に蒔き詰めて沃懸地に仕立て、流水に浸された牛車の車輪を螺鈿で表わす。平安期以降、絵画や工芸品に盛んに取り入れられた片輪車の意匠である。沃懸地と螺鈿による、金色と貝の白色のコントラストが際だった装飾効果をもたらしている。(いかけじ)
(2004/11/16 or 2004/12/21 or 2006/03/21 or 2006/04/25 or 2008/01/02_h032 or h132or111122)


 手箱(てばこ)とは化粧道具や文房具など、身の回りの小物を納める箱です。
 この手箱の文様をみてみましょう。表側(おもてがわ)の文様は、余白を埋め尽くすように水の流れをあらわし、所々に牛車(ぎっしゃ)で使われる車輪を、数個ずつのグループにして配置しています。水の流れに車輪が半分姿を現しているさまを文様としたものを「片輪車(かたわぐるま)」と呼んでいます。車輪は木で作られているため、使わないときは乾燥して割れないよう、取り外して水に漬(つ)けていたといいます。日本では、こうした身近な光景が、しばしば絵画や工芸の文様に取り入れられました。特に牛車(ぎっしゃ)は貴族の乗り物であることから、11世紀から12世紀にかけて花開いた、優雅な貴族文化を思い起こさせるモチーフとして、のちの時代にもよく使われる伝統的な文様となりました。側面の2か所につけられた、紐(ひも)を通すための銀製の金具も、車輪をかたどっています。 
 この手箱は木製で、漆を塗って金粉を蒔きつける「蒔絵(まきえ)」という技法で、地(じ)の金色と水の流れをあらわし、貝がらの内側を平らに加工し文様の形に切って貼りつける「螺鈿(らでん)」という技法で、片輪車(かたわぐるま)の文様をあらわしています。地(じ)の蒔絵は、金粉を隙間なく蒔き付ける「沃懸地」(いかけじ)という技法を採用しており、強い金色を放っています。丈(たけ)の高い箱の形とメタリックな金蒔絵が、力強い重量感を与えています。螺鈿による片輪車の配置も規則的です。重厚で洗練された技法と表現は、鎌倉時代13世紀の漆工芸(うるしこうげい)の特色をよく示しています。

メタデータ

教育

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収録されているデータベース

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ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/07/20