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舟橋蒔絵硯箱 Writing Box, Pontoon bridge design in maki-e lacquerふなばしまきえすずりばこ

解説

蓋(ふた)を山形に高く盛り上げた、本阿弥(ほんあみ)光悦(こうえつ)独特の形の硯箱。『後撰和歌集』の和歌「東路の佐野の(舟橋)かけてのみ 思ひ渡るを知る人ぞなき」の文字を散らし書きのように配す。豪華でありながら簡潔な印象を与える、光悦の蒔絵の中でも最も洗練された作行の名品である。


 硯(すずり)と水滴(すいてき)、筆やペーパーナイフを収めるための箱で、高く盛り上がった蓋のかたちと、大胆にクローズアップされた舟と橋の図柄が印象的です。蓋の表面は、漆を塗った後、金粉を隙間なく蒔きつけ、研ぎ上げて仕上げる「沃懸地(いかけじ)」で、さらに粘り気の強い漆で金粉を蒔きつけて線を表わす「付描(つけがき)」の技法によって波を描いています。並んだ舟の上に、斜めに大きく表された橋には鉛(なまり)の板を使い、ランダムに置かれた文字は銀の厚い板を用いています。文字は組み合わせると源等(みなもとのひとし)という平安時代の貴族が詠んだ和歌の歌詞となりますが、歌詞にある「舟橋」という文字は図柄で表されているので省略されているのです。作者の本阿弥光悦は、17世紀前半に活躍した京都の人で、刀剣の研師(とぎし)の家に生まれながらも、書や陶芸、そして漆工の分野で才能を発揮しました。この硯箱は、大胆な形状や図柄でありながらも、金・銀・鉛を巧みに使い分ける絶妙なバランス感覚や高度な技術によって、洗練された印象を与えています。

メタデータ

教育

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収録されているデータベース

ColBase

ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/05/25