解説
12世紀後半以降の日本刀には多くの場合「茎(なかご)」という柄(つか)の部分に作者の名を記した銘があります。しかし、日本刀には「磨上(すりあげ)」といって実用の理由などから柄の側から切り詰めて新たに茎をかたち作ることがあり、その結果もともとあった銘が失われることがあります。そこで、16世紀ごろから、本阿弥(ほんあみ)家という刀剣の研ぎと鑑定などをしていた一家が、銘のない日本刀に対して作者を判定し、金の象嵌でその作者の名を記すようになりました。この作品も、本阿弥光室(ほんあみこうしつ)という17世紀はじめの人物が、刀剣の作者を14世紀の京都の刀工である来国光の作品であると判定し、金象嵌の銘として記しています。
来国光の作風は多岐にわたりますが、ピカピカと光る刃のある部分のうち、黒く木材の年輪を思わせる地鉄(じがね)の模様が細かく、黒くみえる部分と白い刃の間に光り輝く模様である刃文(はもん)が直線的である点などは銘のある来国光の刀剣でもみられる特徴です。
本品は、太刀を磨上@すりあ@げて刀にしたもので、無銘@むめい@ながら刀剣鑑定の権威である本阿弥@ほんあみ@家の光室@こうしつ@が京・来@らい@派の名工国光の作と極め、茎@なかご@に金象嵌銘@きんぞうがんめい@を入れています。身幅が広く力強い刀身、よく鍛えられた精美な地鉄@じがね@、冴えた直刃@すぐは@調の刃文@はもん@など、国光の作風をよく示しています。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/07/20