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解説

僧侶が所有することを許された数少ない道具を「三衣(さんね)一鉢(いっぱつ)」といいます。三衣とは僧侶が着る三種類の衣服のことを指し、一鉢とは托鉢(たくはつ)と呼ばれる修行の際に持つ鉢のことを指します。托鉢とはお経を唱えて食べ物の施しを受けること。鉢はその食べ物を受ける食器のことで、僧侶にとって食を司る大切な道具であることがわかります。
今回ご紹介する作品はそういった鉢の一つですが、かなり大ぶりです。実は、これは僧侶個人が使うものではなく、仏へ供物を捧げる器として用いられたものと考えられます。僧の持つ鉢は陶器もしくは鉄で作ると定められていますが、この鉢は銅でできています。さらに金メッキで装飾されていることからも、実用品ではなく、仏への供養に用いられた器であることが分かります。
鉢は下に向ってすぼまっているため、自立しません。そのため、安定をよくするための鉢支(はっし)と呼ばれる台にのせられています。この鉢支も鉢本体と一緒に伝わったものです。
奈良時代の金工品でこれだけの大きさと仕上がりの良さは珍しく、鉢支が備わっているという点でも貴重な例です。


鉢は応量器【おうりょうき】ともいい、食物などを入れる容器です。僧侶【そうりょ】が常に携帯するべき用具の一つとされましたが、仏・菩薩【ぼさつ】への供物【くもつ】を入れるのにも使われました。この鉢は大きさから仏・菩薩へ捧げるためのものと考えられます。この形式の鉢は、奈良時代・8世紀の作が多く伝わっています。

メタデータ

教育

規約に従うことで制限なく利用できる

非商用

規約に従うことで制限なく利用できる

商用

規約に従うことで制限なく利用できる

収録されているデータベース

ColBase

ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/07/20