本文に飛ぶ

三宝絵詞 Illustrations and Explanations of the Three Jewelsさんぼうえことば

解説

『三宝絵詞』は、永観2年(984)に源為憲が編集した仏教説話集で、本来の書名は「三宝絵」という。冷泉天皇の第2皇女尊子内親王のために仏教を平易に説明したもので、仏・法・僧の三宝を上中下の3巻とした。粘葉装(でっちょうそう)の冊子本で、鎌倉時代の完本として貴重である。


 冷泉天皇の第2皇女(こうじょ)、尊子(たかこ)内親王は摂政や太政大臣(だいじょうだいじん)を務めた祖父や母、叔父を次々に亡くしてしまいます。後ろ盾を失い、悲しみ嘆いた内親王は18歳で出家します。この作品は、その皇女のために書かれた仏教の入門書です。
三宝(さんぽう)とは、仏教の中で重要な三つの宝とされている、仏(ぶつ)・法(ほう)・僧(そう)、つまり仏・仏のおしえ・僧侶のことです。本来の形態は絵と「詞(ことば)」、つまり文章で三宝について解説したものだったようで、「三宝絵(さんぽうえ)」と呼ばれていました。このうち文章のみが抜き書きされ、上・中・下の3巻に冊子の形でまとめられました。これを「三宝絵詞(さんぽうえことば)」といいます。下巻の巻末に、文永10年(1273)8月8日に書き写されたことが記されています。三宝絵詞がほぼ完全な形で残る最古のものとして、大変貴重です。
 三宝絵を記したのは、平安時代中期の貴族で学者だった、源為憲(みなもとのためのり)です。上巻のまえがきに、永観2年(984)に編纂したことを記しています。上巻には釈迦が前世で納めた行い、中巻には聖徳太子や行基などの仏教と関わりの深い18人の人物のエピソード、下巻には仏教の年間行事に関する事柄が収められています。
それぞれの巻は漢字と片仮名を交えて書かれています。文字は比較的わかりやすい字体です。知っている固有名詞を見つけながら、どんな内容が書かれているのか想像してみてはいかがでしょう。

メタデータ

教育

規約に従うことで制限なく利用できる

非商用

規約に従うことで制限なく利用できる

商用

規約に従うことで制限なく利用できる

収録されているデータベース

ColBase

ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/07/20