本文に飛ぶ

寸松庵色紙「秋のつき」 The Autumn Moon (One of the Sunshōan Poem Papers)すんしょうあんしきし

解説

江戸時代初期の武将で茶人の佐久間将監実勝+さくましょうげんさねかつ+が、大徳寺龍光院の中に建立した寸松庵に伝来したことから、「寸松庵色紙」と呼ばれる。本作は他所に伝来したものだが、同じ名で呼ばれている。もとは粘葉装+でっちょうそう+の冊子本で、舶載+はくさい+(中国製)の唐紙+からかみ+に『古今和歌集』を散らし書きしている。


 もとは『古今和歌集』の冊子本だったのを切り離して掛け軸にしたものです。江戸時代の茶人佐久間将監実勝(1570~1642)が京都・大徳寺の塔頭(たっちゅう)の茶室、寸松庵(すんしょうあん)に所蔵していたことから「寸松庵色紙」の名がつけられました。「継色紙」(つぎしきし)、「升色紙」(ますしきし)とともに「三色紙」と呼ばれて、茶の湯の席の掛物として尊重されてきました。
 中国製の唐紙(からかみ)を使っており、白地になにかの文様が刷られていたと思われますが、現在はほとんど見えません。
 書かれているのは、古今和歌集の秋の歌です。

秋の月 山辺さやかに照らせるは
落つる紅葉の数を見よとか
(『古今集』巻第五 秋歌下)

 美しい紅葉が一面に散っている秋の山を、月の光が照らしている様を詠んだ歌です。
 見どころは、瀟洒で美しい仮名でしょう。複数の文字をつなげて書く連綿(れんめん)、一部蛇行しながらも全体としてバランスのとれた文字の散らし方、そして余白の美を味わってください。

メタデータ

教育

規約に従うことで制限なく利用できる

非商用

規約に従うことで制限なく利用できる

商用

規約に従うことで制限なく利用できる

収録されているデータベース

ColBase

ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/07/20