解説
唐の太宗が、治世の参考になる資料を編集させたもの。中国では早くに逸書となった。本書は現存最古の写本で、九条家に伝来した。巻第37の紙背には筆者を鑑定した九条尚経の花押がある。色変わりや飛雲(とびくも)の料紙、典雅な楷書が、当時の美意識の一端を伝えている。
『群書治要』全50巻は中国・唐時代の631年、太宗皇帝が治世の参考になる資料を編集させたものです。唐時代の政治思想を知るうえで重要なもので、日本でも平安時代初期から宮中において講読が行なわれ、尊重されてきました。中国では早くに失われてしまいましたが、平安時代中頃に書き写され公家の九条家に伝来しました。紫色や縹(はなだ)色(薄い藍色)、茶色に染められた紙には金の罫線が引かれています。その書は数人の筆者によって記され、柔らか味のある典雅な楷書に特徴があります。また、漢文を読むための乎古止点(をことてん)や校合(きょうごう)の書き入れがあり、国語研究の上からも貴重な史料となっています。この作品のように、中国の書物が日本的な色紙に書き写されたものは珍しく、その色彩の美しさと楷書の美しさが、格調の高い調和を見せています。どうぞ平安書跡の美の世界をお楽しみください。
収録されているデータベース
ColBase
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最終更新日
2026/07/20