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法華経 方便品(竹生島経) "Expedient Means" Chapter of the "Lotus Sutra" (From Chikubu Island)ほけきょうほうべんほん ちくぶしまきょう 

解説

琵琶湖上の竹生島宝厳寺に伝来したことから、その名がある。現在は法華経のうち、当館と宝厳寺に各1巻のみを伝える。蝶、鳥、草花などの文様を描いた料紙に金界を引き、穏やかな書風で経文を書写した平安時代を代表する装飾経の一つである。


蝶や草花の下絵が美しい法華経で、琵琶湖に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)に伝わったことから「竹生島経」と呼ばれています。
もとは、法華経8巻が揃っていたはずですが、現存するのは、ともに第1巻であったこの「方便品」(ほうべんぼん)と、竹生島の宝厳寺(ほうごんじ)に伝わる「序品」(じょほん)の2点だけです。
平安時代後期になると、法華経を単に書写するだけでなく、贅沢な料紙を使って美しく飾った装飾経を制作することが、極楽往生を遂げるための功徳になると考えられました。
竹生島経も、そうした願いをこめて作られたものです。金の罫線がひかれ、蝶、鳥、草花、霊芝のかたちの雲などの大ぶりな下絵が、金や銀で描かれています。銀の部分は酸化して黒くなっていますが、作られた当初の銀色に輝いていた様子を想像してみてください。
巻末に、「寛永の三筆」のひとり、松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)(1584-1639)が、源俊房(みなもとのとしふさ)(1035-1121)筆とした鑑定書があります。その確証はありませんが、法華経の本文は、いかにも端正な和様の書で、平安時代を代表する装飾経の一つです。

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2026/07/20