解説
舟を迎える芸者猫の着物には好物のあわびやうなぎ、船頭猫にはこれも好物の蛸が染められ、腰に「又たび」の文字の手拭い、客の猫では、猫に小判。さらに、タイトル「猫のすゞみ」は鰹節で囲まれています。猫好きの国芳が両国橋を背景に描いたユーモアあふれる団扇の絵です。
人間のように着物を着た猫が、桟橋に舟を寄せようとしています。出迎えているのも、猫。なんだか不思議な絵ですね。
作者の歌川国芳は、大の猫好きで、擬人化した猫を描いた作品がたくさんあります。この絵の中には、猫にちなんだモチーフが散りばめられていますので、探してみてください。
まず、中央のタイトル「猫のすゞみ」は、縄で束ねられた鰹節で囲まれています。夕涼みの人びとで鈴なりの両国橋をバックに、芸者猫が舟を迎えに出てきました。着物には、猫の好物のあわびやうなぎのもようが見えます。舟をあやつる船頭猫は、腰に「又たび」と染められた手ぬぐいをはさみ、これも猫の好物とされる蛸のもようの浴衣を着ています。舟の中にある提灯にも「又」の文字が見えますから、この船宿は「又たび」という屋号なのかもしれません。一番左、芸者猫に迎えられ、舟から降りようとしている客の猫の浴衣には、うっすらと小判のもようが散らされています。美しい芸者猫と過ごす時間も、猫に小判、ということでしょうか。
国芳の、猫に対する愛情とユーモアがあふれんばかりの一枚です。
猫好きの国芳が、両国橋を背景に描いたユーモアあふれる団扇の絵です。舟を迎える芸者猫の着物には好物のあわびやうなぎ、船頭猫にはこれも好物の蛸が染められ、腰には「又たび」の文字の手拭い、客の猫は小判柄の浴衣を着ています。さらにタイトルは鰹節で囲まれています。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/03/30