解説
歌麿の大首絵の連作で、錦絵によるものとしては最初期のもの。この連作で歌麿は一躍人気絵師となった。手拭を絞るという何気ない仕草を、自ら「相見(そうみ) 歌麿」と称し、「相学」というお堅い学問を洒落て、浮気しそうな可愛らしい女性像として生き生きと描いている。(20111219_h102)
江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿が女性を描いた版画です。光る雲母(きら)の粉を全面に摺った背景に、上半身をクロースアップにして、女性の表情を強調しているようです。タイトルにある「相學(相学)」とは、人相などから人の性質を判断する学問です。この「婦人相學十躰」は、女性の外見から判断し、そのキャラクターを10のタイプに描き分けようというシリーズです。顔の表情や仕草に、人物の内面が読み取れる、ということでしょうか。作者は自らを「相見(そうみ) 歌麿」と称しており、なんだか自信満々です。
湯上りの浴衣(ゆかた)姿の女性が、手をふきながらどこかよそをちらりと見ています。肩や胸元をあらわにし、笑みを帯びたような目元や口元を見ると、視線の先にいるのは素敵な男性でしょうか。歌麿はこれを「浮気の相」(浮気っぽい女性の外見)として描いていますが、この時代の「浮気」とは、気がよそに惹かれている、うわついて落ち着きがない、というくらいのニュアンスもあったようです。こういう女性を可愛らしいと思うか、軽くてけしからんと思うか、受け手によって違いがありそうですね。
美しい女性を描くということにとどまらず、「こんな人、いるいる」「こういう仕草、あるある」と、外見からキャラクターまで想像させ、内面に踏み込んで表現しようとした、歌麿の意欲的なシリーズです。
収録されているデータベース
ColBase
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最終更新日
2026/07/20