本文に飛ぶ

解説

 等顔は、毛利輝元(もうりてるもと)に仕え、雪舟流を標榜した。江戸期を通じて、その画系は中国地方から北九州の画壇に大きな影響力をもった。本図は岩山や人家、泊り舟など随所に雪舟風のモチーフが見出されるが、整然とした画面構成と、温和で静謐な情景は等顔の特色である。(2006/05/23)


 これは、右側に冬、左側に夏の景色を描いた屏風です。作者の雲谷等顔(うんこくとうがん)は、室町時代に活躍した水墨画家、雪舟(せっしゅう)の画風を引き継ごうとしていました。山や岩にみられる強い筆のタッチや、岩山や人家、舟などのモチーフの選び方にも雪舟の影響が見られますが、等顔はさらに彼独自の表現を作り上げていきました。こうした山水画では、近景にある大きなモチーフを左右の端に寄せて描き、真ん中の空間をあけて遠近を強調するものが多いのですが、ここでは切り立った山を、それぞれの屏風の端に寄せず中央寄りに描くという大胆な構図をとっています。しかし、山の後ろにまで回りこむ道や、遠ざかるにつれ淡く描かれる木々、空に小さく浮かぶ月などにより、十分にひろびろとした空間とその奥行きが表現されています。岩山や木々の形は単純化されていますが、舟や人家、岩の質感や量感、一枚いちまいの木の葉など、細部を丁寧に描きこんでおり、ずっしりとした重量感が生まれています。よく見ると、墨だけでなく、淡いブルー、あるいは赤みをおびた色が用いられています。水や人びとがゆらりと動き出しそうな気配や温かみを感じさせてくれます。

メタデータ

教育

規約に従うことで制限なく利用できる

非商用

規約に従うことで制限なく利用できる

商用

規約に従うことで制限なく利用できる

収録されているデータベース

ColBase

ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/07/20