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蔦の細道図屏風 The Narrow Ivy Roadつたのほそみちずびょうぶ

解説

『伊勢物語』第九段「東下り」より。傷心で都を離れた男が東国に向かったところ、東海道の難所・駿河国宇津山で顔見知りの修行者に出会い、都の恋人への手紙を託すという場面です。登場人物はみな後姿で、暗い細道を前に恋人を思い出す男の寂寥感を強く表現しています。
駿河国:するがのくに、宇津山:うつのやま


 少しずつ色の違う、舞台装置の書き割りのようなこんもりとした山が連なる景色の中に、後ろ姿の人物と馬が描かれています。ただ一人、中央の人物だけが横顔を見せており、その視線の先には、荷物を背負った人物が山間へと去っていこうとしています。
 これは平安時代前期の歌物語『伊勢物語』の第9段「東下り」をテーマに、江戸時代に描かれた作品です。自分の身をつまらないものと思い込み、都を離れた男が、現在の静岡県、駿河の宇津の山にさしかかりました。蔦や楓が生い茂る暗い細道に心細さを覚えたところ、たまたま顔見知りの修行僧に出会い、都に残した恋人への手紙を託した直後の場面です。去って行く修行僧の後ろ姿を見送っている様子が描かれています。都の生活を断ち切って来た、いわば世捨て人でさえも「こわい」「さびしい」「誰かが恋しい」という思いからはのがれることができないのでしょう。伊勢物語の中では夏の場面ですが、ここでは赤い蔦紅葉が描かれ、より寂しげな秋の雰囲気をかもしだしています。
 作者の深江芦舟(ふかえろしゅう)は、江戸時代中期(18世紀)に活躍した絵師で、尾形光琳に学んだとされています。

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教育

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2026/07/20