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芭蕉夜雨図 Banana Plant on a Rainy Nightばしょうやうず

解説

室町時代に南禅寺(なんぜんじ)をはじめとする五山(ござん)では、絵に多数の漢詩文を書き付けた詩画軸(しがじく)という形式の絵画が流行した。本図は詩画軸全盛期の応永年間に制作された名品である。詩画軸流行の中心地、南禅寺で制作されたことも明らかで、貴重な遺品となっている。


画面下に、大きな葉を広げた芭蕉が描かれています。背景の山には霞がかかり、よく見ると、あちこちに細かい点々があります。これは、雨の表現。細かい目の網に硬い筆をこすり、墨を霧状にして吹き付ける、「吹墨」(ふきずみ)という技法を使っているようです。季節は秋。芭蕉は秋には葉が破れて立ち枯れるため、はかないものの象徴とされました。芭蕉の葉に雨のあたる音が、秋の雨をいっそう物悲しくしているようです。
画面の上部に書かれているのは、京都五山の禅僧12名と武将山名時熙(やまなときひろ)、このとき朝鮮国から来日していた奉礼使の計14名が、そうした光景を詠んだ漢詩です。序文によれば、京都・南禅寺の若い僧が「秋雨芭蕉」という題で詩を読んだので、それに沿った絵を絵師に描かせ、さらに同じテーマで多くの人が詩を書き付けて若い僧に贈ったことがわかります。
日本に水墨画が定着した室町時代、このように絵の余白に多数の漢詩文を書き付けた詩画軸(しがじく)が流行しました。当時、禅僧などが集まって漢詩を作る会が催され、そうした文芸的なサークルの中で生まれた形式です。その場で詩を書きつける場合もあれば、絵を持ちまわって詩を寄せる場合もありました。

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教育

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2026/07/20