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解説

 孔子(前551~479)は中国春秋時代の思想家で儒教の祖。その言行を集録した『論語』は著名です。この作品は画面上方の色紙形に、孔子の略歴とその徳を讃える讃文を記しています。礼盤に坐る孔子像は正面観で描かれ、礼拝像的な性格を強く示しています。


 中国春秋時代の思想家で儒教の祖として知られる孔子の肖像画です。孔子を描いた肖像画としては、日本に現存する最古の作品です。
 孔子の肖像画は、奈良時代に中国から日本に伝えられた、孔子とその門人を祀る儀式・釈奠(せきてん)で用いられたと考えられます。釈奠は、春と秋の2回、2月と8月に実施されました。しかし、近世以前の日本でどのような孔子像が使用されていたのかは、作品がほとんど残っていないためはっきりしません。
 描かれているものをじっくり見てみましょう。中央に大きく描かれた孔子は、導師が加持祈祷(かじきとう)を行う際の席である礼盤(らいばん)に座っています。そして左手をやすませ、右手は手のひらを正面に向け、薬指と小指を折り曲げています。こういった姿は釈迦の弟子のひとり、維摩居士(ゆいまこじ)の描かれ方と似ています。維摩居士は一般の生活を営みながら仏道に帰依した人物です。
 また、孔子像は一般的に斜めを向いた姿が描かれますが、今回の作品では正面を向いています。さらにその両脇には二人の人物が描き込まれています。正面向きの孔子は、三尊像の中心に据えられる本尊に、両脇の人物たちは、本尊の左右に控える脇侍(きょうじ)のようにも見えます。
 仏画を意識しているかのようなこの作品は、あるいは仏教とかかわりのある儀礼で用いられたのかもしれません。

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教育

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ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/10/12