解説
金の切箔(きりはく)を敷き詰めた輝く洲浜(すはま)では、向って右から左へと四季が移(うつ)ろい、その間を鳥たちが生き生きと飛び交い、さえずっている。遠方の浜辺では、漁や狩をする人々が遠望され、随所にたなびく金雲が、本作品の詩的な情趣を高めている。
これは、室町時代(16世紀)に描かれた屛風です。6枚つづきのパネルが、2つで1セットになっています。
左右の屛風を、つながったひとつの横長な画面として、見てみましょう。右から左へと、季節が流れています。画面には、四季にちなんだ草木が描かれています。いちばん右端のパネルには、タンポポの花や柳の木。画面中央の、漁をする人たちのいる海を越え、さらに左に進むと、萩や薄(すすき)、いちばん左端には、雪のかかった槙(まき)の木が描かれています。草木の周りでは、たくさんの鳥たちが遊んでいます。漁をする人々から、左に目をうごかすと、馬に乗った旅姿の人々も描かれており、どこを切り取っても細部まで見ごたえのある作品です。
見どころは、たくさんのモチーフを巧みにまとめあげた構図です。金色にたなびく雲が、それぞれの場面をつないでいます。また、要所要所に大きく描かれた木々が、場面転換の役割も果たしています。全体を眺めて季節の移ろいを楽しむもよし、好きな場面に近づき、草花や鳥たちを愛で、人々の営みを観察するもよし。様々に楽しめる作品です。
下地に金箔が貼られ、銀を使って波が描かれるなど、とても華やかな印象です。おめでたい雰囲気があり、ハレの日に使用された屛風と思われます。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/07/20