解説
正面向きで孔雀の背に乗る仏様。これは、様々な災いを除く力があるとされる孔雀明王(くじゃくみょうおう)を描いた作品です。明王は怒ることで人々を導くとされる仏様ですが、この孔雀明王はいつくしみ、あわれむ慈悲の表情を浮かべています。
現存する孔雀明王像の中でも最高傑作と言われるこの作品は、華やかな彩色が目を引きます。ハイライトや色のぼかしを巧みに加え、柔らかでふっくらとした印象を生み出しています。
彩色とともに注目していただきたいのが、金を使った装飾です。ネックレスや腕輪などのアクセサリーには金をたたいて極薄のシート状にのばした金箔を貼り、衣には金箔を細く切って貼りつける截金(きりかね)という技法で文様をあらわしています。一方、孔雀の羽や蓮の葉脈などは、粉末状にした金を動物の骨や皮からつくられた接着剤・膠(にかわ)で溶いた金泥(きんでい)という絵具で、柔らかく描いています。質感の異なる金を使い分けることで、きらびやかでありながらも繊細な仕上がりになっています。
平安仏画の優美な世界観をお楽しみください。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/07/20