解説
春を迎え、農家の家族が畑を耕す光景を描いた油絵です。画面の手前には、人々が鍬を打ち込んで畑を耕し、その後ろには春の訪れを告げる白梅の花が咲いています。白梅の向こうにはかやぶき屋根の家。情緒豊かな農村の風景が広がっています。
この作品を描いた浅井忠は明治時代に活躍した画家で、日本で最初に設立された官立の美術学校である工部美術学校(こうぶびじゅつがっこう)で西洋画を本格的に学びました。この作品は、農村という題材や褐色を基調にした色彩に、同校で指導をしていたイタリア人画家のアントニオ・フォンタネージからの強い影響がうかがえ、描かれた人物は当時外国人向けに販売されていた写真がもとになっています。題材や色調は浅井がほかから影響を受けた表現ですが、安定感のある構図などは浅井自身の高い技量を示しています。『春畝』は、日本で最初の洋風美術団体である明治美術会の第1回展に出品され、わが国において西洋絵画がいかに成熟したかを示すことになりました。
収録されているデータベース
ColBase
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最終更新日
2026/10/05