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解説

 真っ赤な血を流して倒れている人や猛烈な炎の中で苦しそうに顔をゆがめる人など、思わず目をそむけたくなるような場面が描かれています。
 仏教では、人は亡くなると、生前の行いによって六つの世界のいずれかに転生すると言われています。このうち、最も苦しいとされる世界が地獄です。この作品は仏の教えを記した経典の一つ、『正法念処経』(しょうぼうねんじょきょう)で説かれる地獄を表した絵巻です。
 地獄の様子をのぞいてみましょう。この4つの場面は、すべてお酒にかかわるさまざまな罪を犯した者が受ける苦しみです。前半の2つの場面は苦しむ人物に視点を置いています。後半は一転して、責めを受ける人物たちを上から見下ろすように描いています。場面ごとに画面構成を変えて、それぞれの罪状の異なる苦しみを的確に表現しています。いずれも黒と赤といったシンプルな色使いで、地獄の凄惨さを印象付けており、まさに“地獄の案内図”といえる作品です。
 こうした地獄絵は、悪いことをすると報いが訪れるという、戒めの意味が込められていました。それと同時に、経典で説かれる地獄がどんな世界なのかをビジュアルで見てみたいという人々の好奇心に応えたものでもありました。

メタデータ

教育

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ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/03/30