佐竹本三十六歌仙絵 住吉大明神 "The Gods of Sumiyoshi Shrine" from "The Thirty-Six Immortal Poets" (Satake Version)さたけぼんさんじゅうろっかせんえ すみよしだいみょうじん
解説
三十六歌仙絵とは、実在した36人の優れた歌人の和歌とその肖像を描き、絵巻に収めたものです。歌人ごとに名前、経歴、和歌、肖像画という順番で紹介されます。36人の歌人を紹介するという形式は、平安時代の貴族で歌人でもあった、藤原公任(きんとう)によって作られた、「三十六人撰」という歌集を踏まえています。
この作品は、現存する歌仙絵の中で最も古い作品で、秋田の佐竹家に伝わったことから佐竹本と呼ばれています。佐竹本は他の絵巻に比べて紙が大きく、さらに雲母(うんも)という鉱物を細かくして塗料に混ぜて画面に塗っているため、キラキラとした光沢と共に存在感をはなっています。佐竹本は上下巻に分かれており、下巻の巻頭に大阪・住吉大社の和歌と風景が加えられ、37図あったことが分かっています。
大正時代に、実業家で茶人としても知られた益田鈍翁(ますだどんおう)が中心となって、佐竹本は歌人ごとに切り分けられ、掛け軸に仕立て直されました。その現場となった、鈍翁が当時所有していた応挙館は、現在、東京国立博物館の庭園に移築されています。
この「住吉大明神」は佐竹本の中で唯一、人物ではなく景観を描いています。住吉大社は和歌の神様としても知られていましたが、神の像としてではなく、住吉大社の風景画として描いているのも珍しい点です。現在の住吉大社とは様子が違いますが、淡く描かれた海岸線やその間に設けられた橋など、当時の境内の様子を伝えてくれます。
佐竹家に伝わったことから佐竹本と呼ばれる三十六歌仙絵の一つです。本作は住吉の神を住吉社の景観で描いています。画面の傷みなどが進んでいたため、2024年から1年がかりで解体修理を施し、安全で、大変見やすい状態になりました。今回は修理後初のお披露目です。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/09/21