解説
千手観音は観音菩薩の持つ多面的な救済力が強調された姿。この画像は、姿形や色使い、截金文様にみる平安後期仏画の特徴である優美・華麗な表現と、鎌倉時代的な骨太で動きのある表現が共存した、12世紀後半の制作と見られる千手観音画像の代表作である。(20120424_h031)
中心に大きく千手観音を描き、下方には婆藪仙(ばすうせん)という仙人と天女姿の功徳天(くどくてん)が描かれています。千手観音とは、あらゆる人々を救うため、千の手を備えた仏です。手にはそれぞれ仏の力を象徴する持ち物が表わされ、光背にそって全体が円形に美しくまとめられています。観音の衣や台座には金箔を髪の毛のように細く切って貼り付けた裁金(きりかね)という技法で様々な文様が表されています。特に台座の花びらには銀箔の上に金箔を重ねた特殊な箔が使用され、輝きの中にもわずかな色の変化と奥深さを持たせた繊細な感覚が注目されます。ふっくらとした顔の慈悲に満ちた観音の表情、平安時代の優美で華麗な祈りのかたちをご堪能ください。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/07/20