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釈教三十六歌仙絵 Portraits of Thirty-Six Immortal Buddhist Poetsしゃっきょうさんじゅうろっかせんえ

解説

神護寺別当、東寺長者をつとめた勧修寺栄海(かじゅうじえいかい)(1278~1347)撰になる、歌人の全てを僧侶で構成する歌仙絵。達磨(だるま)・聖徳太子(しょうとくたいし)、菩提僊那(ぼだいせんな)・行基(ぎょうき)の贈答歌から貞慶(じょうけい)、明恵(みょうえ)にいたる37人の像と36の和歌から成る。和歌、及び各像が時代不同歌合絵の強い影響下にある。
(20161018_h21特集歌仙絵)


 歌仙絵(かせんえ)とは、優れた歌人の和歌と肖像を表した絵のことです。釈教とは釈迦の教えなどという意味がありますが、ここでは僧侶のことを指していると考えられます。今回ご紹介する作品は、三十六の和歌とその和歌を詠んだ僧侶の肖像を描いた絵巻の一部です。三十六人の歌人を紹介するという形式は、平安時代の貴族で歌人の藤原公任(きんとう)によって作られた、「三十六人撰」という歌集を踏まえています。和歌は、京都にあるお寺、勧修寺(かじゅうじ)の僧侶だった栄海(えいかい)によって選出されました。
 巻頭には栄海による選出の趣旨が述べられています。最初に出てくる肖像は、禅宗を開いた達磨(だるま)、その向かい側の子どもは聖徳太子です。聖徳太子は僧侶ではありませんが、日本に仏教を広めた人物ということで、取り上げられたのでしょう。次に出てくる二人の人物は、奈良の東大寺の大仏建立に深く関わる、僧正菩提(そうじょうぼだい)と行基(ぎょうき)です。いずれも、日本仏教史に深い関わりのある人物たちで、年代順に登場します。
 肖像の描き方に注目してみましょう。一部彩色が施されていますが、基本的には墨のみで人物を表現しています。このように墨線で描く方法を白描(はくびょう)といい、仏教絵画では絵の様式や図柄を描いて伝える際に用いられる手法です。肖像の描き方にも仏教の要素が盛り込まれています。宮廷文化である和歌と仏教を関連させた、興味深い作品です。

メタデータ

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収録されているデータベース

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2026/07/20