解説
渡辺崋山は田原藩の江戸詰め家老。幕末の藩政改革に尽力する一方、苦しい家計を助けるため画業にも精進した。この肖像画は、崋山にとって蘭学の先輩というべき古河藩家老の鷹見泉石を描いたもの。崋山の肖像画作品中の傑作である。 (たはら こが)(20100518使用)
武士の正装に身をつつんだ男が、眼光鋭く正面を見据えています。鷹見泉石は武士であるとともに西洋の学問を研究する蘭学者でした。これは自らが仕える藩主の使いとして寺院に参拝した折、その正装した姿を、学問上の弟子でもあった渡辺崋山が描いた作品です。
崋山もまた武士でしたが、絵画の製作にとても優れ、西洋画の遠近法や陰影法を採り入れた独自の画風を確立しました。崋山は肖像画に多くの名作を残していますが、この作品はなかでも最高の傑作として知られています。あっさりとした線描と色彩のなかにも細やかな技術が駆使され、人物の高い教養と、強い意思が伝わってくるかのようです。
どうぞ、武士の生きざままでも感じさせる高度な絵画世界をご堪能ください。
収録されているデータベース
ColBase
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最終更新日
2026/07/20