解説
竺雲等連の序によれば本図は南禅寺の杲という禅僧が所持する山水画に諸禅僧が詩を寄せたものである。大気や遠近の巧みな表現、洗練された作風が注目される。15世紀の山水画様式の代表格である周文様式を考えるうえで最も重要な作品の一つである。
ルビ:じくうんとうれん、こう、しゅうぶん(2004/09/01_h033)
墨でモチーフを表す「水墨画」に、文章や漢詩文がたくさん書きつけられています。こういった形式の作品を詩画軸(しがじく)といいます。室町時代の中ごろ、仏教の宗派の一つである禅宗の僧侶たちの間で流行しました。この作品のタイトルと漢詩文は、下に描かれた水墨画をテーマにしたものであることが序文に記されています。この時代には珍しく、制作された当初の作品タイトルがわかることも大変貴重です。
絵の部分に注目してみましょう。自然の風景をあらわした、山水図が描かれています。右側にそびえる山や中央の2本の木をしっかりとした線で、山の向こう側の景色を淡い線で描いています。墨の濃淡を巧みにつかいわけて、空間的な広がりを演出しています。
中央の木の脇には竹に囲まれた小屋が描かれています。その中をよく見てみてください。読書をしている人物が見えたでしょうか。これが作品のテーマになっている「竹斎読書(ちくさいどくしょ)」のシーンです。そこから視線を左下に移すと、橋を渡って小屋に向かう人物も見つけることができます。彼らは草庵で何を語り合うのでしょうか。このような山水図を見るときは、絵の中のストーリーに注目してみるのも面白い見方の一つです。
収録されているデータベース
ColBase
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最終更新日
2026/10/19