解説
虚空蔵とは、虚空のように無限の知恵や徳を具えているという意味。その画像は、主に記憶力を増進させる儀式の本尊として用いられた。画面下方には伊勢の朝(あさ)熊(ま)山(やま)が描かれており、この虚空蔵菩薩は朝熊山権(ごん)現(げん)の本地仏であることが知られる。兵庫・八正寺伝来。(2005/06/07_h031)(120915_h21・22)
虚空蔵(こくうぞう)とは、虚空のように無限の徳や知恵をもっているという意味です。
頭や体から四方八方に光が放たれている様子が金色の線で表わされています。虚空蔵菩薩の不思議なパワーを感じさせます。
実は、この光が表現されている虚空蔵菩薩像は、無限の記憶力を増進させるという虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)を行なうときに、本尊として掲げられる絵です。是非やってみたいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、一定の作法に従って真言(しんごん)を100万回唱えるというたいへん厳しい儀式です。弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)が行い、その宗教活動の出発点となった修行として知られています。
画面下には山が描かれています。これは伊勢の浅熊山(あさまやま)の風景です。日本の神々は、実は仏教の仏たちが化身として現れたものとする本地垂迹(ほんじすいじゃく)の思想によるもので、虚空蔵菩薩が浅熊山権現(あさまやまごんげん)のもとの姿、本地仏(ほんじぶつ)であることを表しています。
美しい色彩や、繊細で細かい衣の文様などにもご注目ください。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/10/05