解説
雪舟は室町時代の水墨画を代表する画家の一人。48歳のとき遣明使(けんみんし)に随行して中国に渡った。これは雪舟76歳のときの作。弟子の宗淵(そうえん)に求められて本図を描いたこと、中国では李在(りざい)と長有声(ちょうゆうせい)に画法を学んだことなどを自叙伝風に図上の賛に記している。(120828_h033)(140102_h033)
これは、室町時代を代表する画家、雪舟の76歳のときの作品です。
墨一色の濃淡で、風景を表した水墨画ですが、とても大雑把な絵なので、何が描かれているかよくわからない、という方がいるかもしれません。
いちばん上に薄く描かれているのが遠くにそびえる岩山、真ん中の少し濃い墨がその手前の小高い山、いちばん下が、近くの山と穏やかな水面です。このように、画面の上にいくほど遠い景色というのが山水画と呼ばれる風景画の約束です。
よく見ると、手前の山に一軒の家が建っています。軒先から右に枝のようなものがぴょんと出ているのがわかりますか? これは、食事を出す店のしるしの旗です。水面には、小舟も描かれていますね。
次に、画面上部の文字を見てみましょう。もっとも重要なのはいちばん下の段で雪舟の自筆です。この絵は弟子の宗淵(そうえん)が修行を終える際に雪舟が頼まれて描いたものであること、そして、自分は中国で有名な2人の画家に絵を学んだことなどを自叙伝風に記しています。上の2段は、宗淵がこの絵を携えて京都の寺院を訪れて書いてもらったもの。6人の高僧の詩が作品に華を添えています。雪舟その人を知る上で大変貴重な資料であると同時に、絵や漢詩を楽しんだ当時の禅僧たちの文化サークルの交流の様子がみてとれます。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/07/20