解説
藤原氏一門の西園寺公衡が,一門のこれまでの繁栄に感謝し,またさらなる繁栄を祈願して制作を企て,詞書を前関白鷹司基忠父子四人,絵を宮廷絵所預の高階隆兼が担当したという制作事情が,付属の目録より明らかである。本格的な大和絵技法による精緻な描写は卓抜しており,当時の風俗を知る史料として,また痛みやすい絹地の絵巻が完全な姿で,700年もの長い年月を経て現存しているという貴重性も加わり,わが国屈指の文化遺産と言って過言ではない。本来,春日大社に秘蔵されていたが,江戸後期に流出し,その後鷹司政熈のもとに蒐集,そして明治8年〈1875〉と同11年の2度にわけて,鷹司家より献上された。(「美を伝えゆく」H25)
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最終更新日
2026/07/20