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解説

 尖頭器(せんとうき)とは、槍の柄の先につけた狩猟用の石器です。とがった先端で突き刺したり、大きなものは柄をつけてナイフのように切ったりするために使われました。この尖頭器も、柄の先にくくりつけて使われていたのでしょう。まるで大きな葉っぱのように、平たく左右対称な形をしています。表面には、ごつごつとえぐったような跡がいくつも見えますね。これは加工の跡で、その数だけ、何度も打ち割って作られていることがわかります。こうした尖頭器はこぶし大の石の塊から作られ、完成したものは、原石の十分の一以下の大きさになったといいます。
 原料の黒曜石は天然ガラスとも言われ、鋭い割れ口を持ちます。この石を薄く大きく剥がしていくのには、相当な技量が必要だったでしょう。
 尖頭器は、黒曜石の原産地である北海道・関東・中部地方でよく作られていました。ただし、原産地では途中まで作り、狩りをする場所で細かな調整をして、槍の先端につけて仕上げたといわれています。壊れやすく、のちの時代の植刃槍(しょくじんやり・槍先の側面に溝を彫って、石器を埋め込む)のようにパーツ交換もできませんでしたので、原産地でできるだけ作りためておいて狩りに持っていったのでしょう。その原産地と狩りをする場所は数百キロ離れていることもありました。当時の人々の暮らしの過酷さと、狩猟の道具にかけた思いが伝わってくるようです。

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2026/06/01