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禅宗祖師図(香厳撃竹) Zen Patriarchs, Xiangyan and a Bamboo Being Struckぜんしゅうそしず きょうげんげきちく

解説

京都市北部にある大仙院の衣鉢(えはつ)の間という部屋の壁や襖には、祖師図が描かれていました。祖師図とは、仏教の修行上の教師であり、模範とすべき先輩の姿を描いたもの。衣鉢の間に描かれた祖師図は、中国・唐時代に活躍した禅僧のエピソードを基にしたもので、保存のために全6幅の掛軸に仕立てられました。絵を描いたのは室町時代の絵師、狩野元信(かのうもとのぶ)。室町時代中期から江戸時代にかけて活躍した日本絵画史上最大の絵師の集団、狩野派の基礎を作った人物です。
今回ご紹介するのは、「香厳撃竹(きょうげんげきちく)」というエピソードを描いた祖師図です。このエピソードは、禅僧、香厳智閑(きょうげんちかん)がなかなか悟りきれず、墓守として生活をしていた時、箒(ほうき)で掃いた小石が竹に当った音を聞いて、悟りを得たというもの。この絵は、香厳がその音を聞いた瞬間を捉えたものでしょう。ひっそりとした山間に佇む香厳とその奥に広がる山々。空間の奥行きを感じさせます。
この香厳撃竹の図、実は「五祖送六祖渡江(ごそそうろくそとこう)・徳山托鉢(とくさんたくはつ)」というエピソードが描かれた絵と共に衣鉢の間の東側の壁に貼り付けられた、一連のものでした。二つの絵をつなげてみると、地形がつながっていることがわかります。しかし、直接的に連続するエピソードが描かれているのかというと、そうではありません。ここに描かれているエピソードは、時期や場所、内容、登場してくる人物がすべて異なります。それぞれの場面を、霞を使って区切りながら描き上げたものです。
この絵の手本となる中国の絵画があったかどうかはわかっていませんが、異なるエピソードをまるで一つの物語のように描いた元信の手腕を、是非ご堪能ください。

メタデータ

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2026/07/20