解説
相州(そうしゅう)(神奈川県)国光(くにみつ)は鎌倉鍛冶の始祖となった刀工で、正宗の師です。国光の作品は永仁元年(1293)がもっとも古く、この短刀はよく約(つ)んだ板目(いため)の地鉄(じがね)に直刃(すぐは)を焼き、典型的な作風が示されています。寛文9年(1669)将軍家綱より仙台藩主伊達綱村が拝領し、伊達家に伝わりました。
刃わたりが25センチほどの反りのない短刀です。黒くみえる部分には木の板目のような模様が細かくみえます。また、黒い部分と白い部分との境目には「刃文(はもん)」という光り輝く模様があり、この作品の刃文はほとんど直線です。全体にさっぱりとした印象を与える短刀ですが、そのシンプルな作風には独特の緊張感がみなぎっています。全体に「沸(にえ)」と呼ばれる粒子が目立っています。黒い部分で黒い点のようにみえる沸は、ところどころ集まって線のようにもみえます。また、刃文のなかで沸は白く輝く点にみえ、ところどころで寄り集まり、稲妻のように蛇行する線となっています。作者の相州国光(そうしゅうくにみつ)は、13~14世紀に神奈川県の鎌倉で活躍した刀工で、沸による複雑な鋼(はがね)の表情をつくる刀剣を多く残しました。この作風は、以後正宗などに受け継がれ、日本刀の代表的な作風のひとつとなりました。
収録されているデータベース
ColBase
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最終更新日
2026/07/27