解説
ニューギニア島東北部にみずからの祖先をワニと信じる部族がおり、この像も恐らくその部族が残したものであろう。白の下地に赤・黄・黒を丁寧に塗り分けてウロコを表現している。祖霊や精霊の木彫が非常に発達した当地域でも、手の込んだ精品に位置づけられる。(161115_平企_南太平洋)
広い太平洋には、大きい島や小さな島が無数にちらばっており、これらの地域をオセアニアとよんでいます。オセアニアは大きく3つに分けられています。1つ目は、太平洋の北側にあたる小さな珊瑚礁のような島ばかりがあるミクロネシア。2つ目は、太平洋の南側にあたる火山島や標高の高い島々があるメラネシア。3つ目は、太平洋の東側に広がるポリネシアです。人類は、大昔にアフリカから世界各地に広がり、その最後に向かったのがオセアニアでした。みんな、アジアから渡って行ったのですが、その後、これらの地域ではほとんど外部との接触がなく、金属器なども発達せず、非常に古い豊かな文化が保存されてきました。
このワニの像は、メラネシアのニューギニア島のものです。ニューギニア島のセピック川の流域には、自分たちの祖先をワニであると信じている部族がいるので、そのような部族の人々が作ったものだと思われます。金属の工具を使わずに彫刻して、下地を白く塗ってから、赤・黄・黒を丁寧に塗り分けてウロコを表現しています。セピック川の流域では、祖先や精霊を表わす木造彫刻が非常に発達していますが、このワニ像はそのなかでも非常に優れた出来ばえをしています。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/03/16