解説
中央ナーガに坐す仏陀、右に四本の腕を持つローケーシュヴァラ(観音菩薩)、左にプラジュニャーパーラミター(般若波羅蜜多菩薩)をあらわしています。ジャヤヴァルマン7世の時代に寺院に奉納する目的でこの三尊が多数造られました。
中央にブッダ、向かって左に4本の腕を持つ観音菩薩、左に般若波羅蜜多菩薩(はんにゃはらみたぼさつ)をあらわしています。9世紀から15世紀の間、現在のカンボジアのもととなったクメール王朝という王国がありました。12世紀末から13世紀初めの国王であったジャヤヴァルマン7世は、仏教を篤く信仰しました。その時代、寺院に奉納する目的で、この三尊形式の像が多数造られたといいます。ブッダは本人、左右の像は父母を象徴しているともいわれます。
中央の像を見てみましょう。コブラのような体に7つの頭をもつ蛇の神ナーガがとぐろを巻いており、その上にブッダが坐っています。ブッダが瞑想していたところ大雨が降ってきたので、ナーガが頭を傘のように広げてブッダを守ったという説話に基づいた像です。このような像は、アンコール時代、南インドからカンボジアに伝わり、大流行しました。水不足に苦しんでいたカンボジアの人々は、仏教やヒンドゥー教が伝来する前から水の精霊を崇めていました。そのため、水の神ナーガが篤く信仰されたのでしょう。
眉がつながり、下唇が分厚い顔は、アンコール時代のクメール彫刻の特色です。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/07/20