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照禅者宛偈頌(破れ虚堂) Buddhist Verse (Called “The Torn Xutang”)しょうぜんじゃあてげじゅ やぶれきどう

解説

虚堂智愚が、鎌倉の浄智寺の僧、無象静照(むしょうじょうしょう)に書き与えた法語である。武野紹鴎(たけのじょうおう)の所有を経て、京都の豪商茶人である大文字屋の有に帰したが、寛永14年(1637)、丁稚が蔵に立てこもり、この幅を切り裂いて自害したことから 「破れ虚堂」と称される。  


 破れ虚堂。何やらただならぬ異名(いみょう)を持つこの書は、虚堂智愚(きどうちぐ)という南宋時代を代表する禅宗の僧が、晩年に筆をふるったものです。日本から禅を学びに来た無象静照(むぞうじょうしょう)という若き弟子のために詠んだ詩で、「あれこれ問うことをやめよ」と弟子に諭(さと)す部分も見られます。
 かつて武野紹鷗(たけのじょうおう)や松平不昧(まつだいらふまい)など、名だたる茶人が所蔵し、天下の名物として茶室を飾ってきたこの掛け幅(かけふく)は、その表具を、「織部(おりべ)好み」や「遠州(えんしゅう)好み」などのように、ときとして所蔵者の趣味に合う形式やデザインに改められ、大切に保管されてきました。しかし、予想だにしない出来事も起こるものです。
 江戸時代、17世紀前半の寛永(かんえい)年間、当時所有していたのは大文字屋(だいもんじや)という京都の商家でした。ある日、そこに仕えた丁稚(でっち)が蔵に立てこもり自害するという事件がありました。蔵の中にあったこの墨跡は、丁稚によって無残にも切り裂かれ、後に「破れ虚堂」とも呼ばれるようになったのです。
 書きぶりは実に個性的です。おどけた雰囲気の文字があるかと思えば、整った見事な形をした文字もあります。字の姿から筆者の人柄を想像してみても楽しいかもしれません。

メタデータ

教育

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2026/07/20