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出山釈迦図 The Buddha Descending from the Mountain

解説

梁楷【りょうかい】は南宋の宮廷画家です。本図は長きにわたる修行でも悟りを得られず、深山を出る釈迦の姿を描きます。対角線上にせり出す崖で構成された大胆な構図や、土坡や枯木に見られる粗放な筆致に独創性が光ります。また痩せた釈迦の、精緻で写実的な表現も見どころです。(植松氏執筆)(20180828_t08)


 梁楷(りょうかい)は中国南宋時代の宮廷画家で、丁寧で細かな描写と、激しく荒々しい描写と、それぞれに巧みであったといいます。中央の「出山釈迦図」は山奥での修行をへて下りてきた釈迦を描き、左の「雪景山水図」は雪の降り積もる山中を行く旅人の一団を描きます。梁楷の弟子の作品と考えられる右の「雪景山水図」を含め、三点はもとは別々に制作されました。しかし日本に伝来した後、14世紀から16世紀に室町幕府を治めた足利将軍家に収蔵されると、三点一組として鑑賞されるようになりました。
 各画面には、梁楷の対照的な二つの描き方が見られます。修行のためやせ衰えても、眼光の鋭さを失わない釈迦の厳しい顔は、立体感が丁寧に整えられ、雪山を行く人や馬の帽子や馬具は金色で細かく装飾されています。一方で釈迦の背景の枯れ木は、遊びのある激しい筆線で構成されます。また雪景山水図で旅人の後ろにそびえる雪山には、ひっかくような粗い筆線が目立ちます。緻密さと荒々しさ、梁楷の二方向での表現が見事に結びつけられた傑作です。

メタデータ

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2026/03/16