解説
如来(にょらい)を中心に両脇に菩薩(ぼさつ)がひかえる三尊形式の仏像です。全体を蓮の花びらのような形をした光背(こうはい)が包んでいます。このような形式は飛鳥時代の仏像に一般的なものですが、如来と2体の脇侍(きょうじ)の間には様式的な違いが認められ、もともとセットであったかは不明な点も残されています。
如来の眉は線を刻んで表されていますが、これは我が国の古代の金銅仏には見られないものです。また、ガスの気泡を内部に多く残す鋳造技法の特徴からも、三国時代の朝鮮半島で制作された仏像と考えられています。ふっくらと丸みのある如来の顔立ちや、光背の蔓が巻き付くように伸びた植物の表現には、古代朝鮮半島に栄えた百済(くだら)の仏像との共通性が認められます。
記録によると、西暦538年、または552年に百済の聖明王から、我が国へ初めて公式に仏教が伝えられました。この仏像はまさにこの頃の百済で制作された可能性があり、我が国に伝えられた最初期の仏像の姿をここに見ることができます。
蓮弁をかたどった大きな光背に三尊が収まる姿の仏像を一光三尊と呼びます。飛鳥時代に朝鮮半島の百済からもたらされたという長野・善光寺の秘仏を模した像もすべて同じ構成であることから、仏教伝来当時の日本では、こうした大陸由来の仏像が信仰されたと考えられます。
収録されているデータベース
ColBase
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最終更新日
2026/07/20