解説
インドから東南アジアにかけての熱帯・亜熱帯地域に生える樹木には芳香を放つ樹脂を出すものがあり、これを香木(こうぼく)といいます。香木は日本には産出しないので、舶来品が用いられました。仏教の礼拝(らいはい)・儀礼においては香を焚(た)くことが欠かせないので、香木は仏教の伝来とともに伝わったものと考えられます。そのような事情により、古くから寺院には香木が収蔵されており、法隆寺においても栴檀香、白檀香、沈水香などが伝えられてきました。
ビャクダンの材木である栴檀香と白檀香には、ササン朝ペルシアのパフラヴィー文字による刻銘(こくめい)やソグド文字の焼印(やきいん)があり、刻銘は貿易に関わった人の名前、焼印は何らかの単位であろうと考えられています。すなわち東南アジア辺りで産出した香木が、ソグド人やペルシア人によって中国・唐に運ばれ、それがさらに日本に伝わったというような貿易活動がうかがえるのです。
また、ジンコウの朽木(くちき)である沈水香(沈香)は、朽木らしい独特の形状を呈しており、仏教絵画にはこうした沈香を捧げる様がしばしば描かれています。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/07/20