解説
光をかざすと神秘的な色合いを放つローマンガラスの皿である。この皿はガラス碗とセットで出土し、被葬者の頭部右側脇に添えられていた。おそらくコーヒーカップの受け皿のような使われ方をしたのであろう。遠くシルクロードを経て日本列島に運ばれた一品である。
濃い色のブルーが印象的なガラス皿です。奈良県にある新沢千塚(にいざわせんづか)古墳群の一つ、5世紀後半につくられた126号墳から発見されました。このガラス皿は、近年の蛍光X線分析で、地中海の沿岸、ローマ帝国領域内のガラス質と成分が一致することがわかりました。表面には、うっすらと白い線で絵が描かれています。これは絵付けではなく、金箔(きんぱく)を貼るための接着剤のあとかもしれません。皿の中心には鳥、周囲には馬や人、木や花びらのような絵が描かれています。これらのモチーフや描かれ方から、ササン朝ペルシャで描かれたものと考えられています。
実はこのガラス皿は、切子のガラス碗と一緒に見つかりました。古墳に眠る人物の枕元の右側に、まるでコーヒーカップとソーサーのように、ガラス碗が皿に重ねられていました。このガラス碗もその作りから、ササン朝ペルシャで製作されたものと考えられます。どちらも遠くシルクロードを経て、日本列島に運ばれたのでしょう。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/07/20