埴輪 短甲の武人 Tomb Sculpture ("Haniwa"): Warrior in "Tankō" Armorはにわ たんこうのぶじん
解説
衝角付冑+しょうかくつきかぶと+とみられる冑と、帯金式+おびかねしき+の短甲を身に着けた武人を表した人物埴輪です。甲冑の帯金と呼ばれる鉄板を沈線、鋲(リベット)を粘土粒で表現しています。5世紀に盛行した帯金式短甲は6世紀にはほとんど見られませんが、埴輪の表現としては残りました。
「短甲(たんこう)の武人」と呼ばれる埴輪(はにわ)です。埴輪とは、3世紀から6世紀の古墳時代に権力者の墓の上やまわりに立て並べられた、土で作られたものをいいます。この埴輪は短甲、つまり上半身を覆うよろいをつけ、頭にはかぶとをかぶった、たたかう人の半身像です。シンプルな表現ですが、当時使われていた武具の特徴をよく表しています。たとえば実際の短甲は、幅が広い鉄板を何枚か組み合わせたものですが、この板の境目が、埴輪のよろいにも線で表されています。当初はこの板同士を革ひもでとじ合わせていましたが、後に鋲(びょう)でとめるようになりました。埴輪に丸い粒で表現されているのがこの鋲どめです。肩には、よろいをとめるためのストラップも表現されています。また、かぶとのてっぺんから額にかけて、衝角(しょうかく)というとがらせた部分が表現されています。東京国立博物館には同時代の鉄製の武具も所蔵されていますので、実際のよろいやかぶととぜひ見比べてみてください。
太い首には首飾りをつけ、左の腰には刀をさげています。腕や耳は欠けていますが、落ちくぼんだ目、とがった鼻やあご、わずかに開いた口は、単純化されていながらも、どこか生々しさを感じさせます。よくみると、真正面ではなくわずかに左に首を向けているのがわかります。周囲に異常がないか目を配っているのでしょうか。古墳時代中期の武人の姿を伝える貴重な資料です。この作品はまた、1940年に開催予定であった幻の東京オリンピックのポスターに採用されたことでもよく知られています。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/08/10