解説
女子像を表した人物埴輪としては、稀な全身像です。スカート状の裳+も+と、筒袖+つつそで+で左前合わせの上着を身に着けます。髪は島田髷+しまだまげ+を結い、額には竪櫛+たてぐし+を挿し、玉類を連ねた耳飾・首飾・腕飾で全身を装います。上着には鱗+うろこ+状、裳には短冊状文が線刻され、白や赤などの彩色が残ります。
半円形を重ねた青海波文様の上着をつけ、裳と呼ばれるヒダのある長いスカートをはいた女性の埴輪です。日本列島で、このような、上下に別れた衣服を身に着けるようになるのは、古墳時代になってからです。この時代に、大陸や朝鮮半島から伝わった新しい文化の象徴ともいえるでしょう。
よく見ると肩のところに線が表されているので、長袖のブラウスのようなものに、袖のない上着を重ねて着ているようです。特徴的な髪形は、長い髪の毛を折り重ねてひもで束ね、まげを結っているのです。額には、髪をとめる竪櫛(たてぐし)がついていたようですが、今はその一部しか残っていません。大きなイヤリングも目を引きます。美しい石やガラスの玉に金属の輪を組み合わせたもののようです。さらに、ネックレスやブレスレットまでつけています。このように着飾っていること、また、女性を表わした埴輪のほとんどが上半身だけなのに、全身が表わされていることから、彼女はとても身分の高い女性だったと思われます。
特にめだった動作もなく、まっすぐに立っているのは、葬送の列に参加している様子、またはなにかの儀式に参加している様子を表わしているという説もありますが、よくはわかっていません。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/06/29