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犬形埴輪 Tomb Sculpture (Haniwa): Dogいぬがたはにわ

解説

 犬は縄文時代から狩のパートナーとして人間との長い付き合いがある。古墳時代には人物埴輪の登場と同時期に、狩の対象である猪や鹿の埴輪とともに造形される。首輪をつけ舌を出した姿は、犬の愛くるしさと狩での息遣いを的確に表していると思われる。   


 埴輪(はにわ)は古墳時代の有力者の墓にたてられていたものです。
 このかわいらしい犬は、当館の埴輪のなかでも人気のある作品です。よくみると首輪がついているのがわかりますか?首輪には丸い鈴もついています。つまり、この犬は人に飼われていた犬なのです。
 犬の様子を詳しく観察してみましょう。しっぽをきりりと巻き上げ、緊張しているようです。口から舌を出して、息も荒く、鋭い歯を見せています。この埴輪は、犬が獲物に向かって吠えかかっているところを表わしているのです。
 犬の埴輪は、狩人や角笛を鳴らす人物の埴輪と一緒に発掘されることがあります。このことから、人が角笛を鳴らして獲物を追い出し、それを犬が追いこんで、最後に狩人が弓矢でしとめるという、当時の狩猟の方法がわかります。
 ところで、埴輪は、粘土紐(ねんどひも)を丸く積み上げてつくるのが基本です。ですから、ほとんどの埴輪は円筒形を基本につくられており、人物の埴輪はそこに手足をつけたような形になっています。それに比べると、動物埴輪の造形はとても複雑です。古墳時代の人びとはこれらをどうやって作ったのでしょうか。埴輪の内側には、粘土紐を積み上げたときにできる段差や、手でなでたあとなど、埴輪の製作工程を示す痕跡がのこっています。この犬の埴輪をCTスキャナーで撮影し、内側の状態を調査しました。その結果、まず4本の円筒をたてて脚とし、そこに粘土紐を渡しておなかを成形し、さらに背中、首、頭とつくっていった様子を確かめることができました。

メタデータ

教育

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収録されているデータベース

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ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/03/16