解説
帯金+おびがね+をフレームとし、その間に三角形の地板を重ねて鋲留めした鉄製の甲+よろい+です。政権中枢で量産され、有力首長に配布されました。朝鮮半島から入手した鉄素材を高度な先端技術に長けた渡来人らが加工した、古墳時代中期を象徴する日本列島独自の甲冑です。
これは古墳時代に実際使われていた鎧です。この時代の鎧は複数の鉄板をはぎ合わせて、胴回りを防御する丈の低いもので、短甲とよばれます。基本的には帯状に裁断した鉄板をフレームとして間に鉄板を組み合わせた形式で、帯金式甲冑といいます。特にこの短甲の場合、背面上部などに三角形の鉄板が鉄の鋲で組み合わされているため、三角板鋲留短甲の名称があります。
帯金式甲冑は日本列島に独自の甲冑の形式の一つで、東北から九州地方まで広く分布しています。おそらくは当時政権の中央であった近畿地方で大量に量産され、各地の有力者に配布されたものと考えられます。この短甲が作られた5世紀は、いわゆる倭の五王の時代と呼ばれ、中国南朝に使者を送るなど、東アジアにおける覇権の強化が重視された時代でした。量産された短甲がひろく本州全域に分布していることは、この時期の古墳文化における軍事的な性格をよく示しています。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/06/29