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解説

雅楽に用いられる4絃の琵琶で、楽琵琶とも呼ばれるもの。管絃においては、撥を上から下へ掻き下ろし、分散和音(アルペジオ)で旋律をなぞるように演奏する。本琵琶は、九条家の伝来品で、修復の際に内部の様子を写しとったとみられる附属文書によれば、腹板裏中央に「南無妙音天」の墨書、槽内に「師長」の彫銘のほか、「保元元年/十二日/師長/貞治三年甲辰/六月日祐円上」(腹板裏)との墨書銘がある。藤原師長(ふじわらのもろなが・1138-1192)は藤原頼長(よりなが)の子で、妙音院と称し、管絃・歌曲の名手として名高く、『仁智要録』(箏譜)・『三五要録』(琵琶譜)の撰者としても知られる人物である。一方、銘の「青山」は、藤原貞敏(さだとし・807-867)が唐より請来した二面の琵琶のひとつにちなむ名称。師長や青山の琵琶をめぐる説話は『平家物語』や謡曲など事欠かないことから、伝来の名器を彩る由緒として付会された可能性も高い。寛永6年(1629)、延享2年(1745)、文化12年(1815)の修理銘があり、伝承の真偽は不明ながら、錚々たる由緒のもと大切に継承されてきたことがうかがわれる。

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2026/07/07