解説
昭和14年(1939)8月、大阪歌舞伎座で初演された「海」は「二十五分の短い作で、舞台一面を海にし、小舟で夜釣りをしている五郎の漁師が身投げの美人を助け、その女はそれを初めは嫌がりながら、再び生の執着からあべこべに助かつたのを喜んで逃げ出す」(「一堺荘漫筆」)というもので、評論家・三宅周太郎から「作意もウヰツト」があり、「舟をモーターにして動かすのが、廻り舞台にうまくはまるなど、実に才気煥発な作」と激賞され、本人としても会心の作だったようだ。俳優の似顔絵をよく描いた画家・芳賀敏兼(雅号・松龍庵)の筆によるもので、贔屓客が依頼して五郎に贈ったものだろう。
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文化遺産オンライン
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最終更新日
2026/03/03