解説
京都の祇園で毎年春に開催される都をどりの茶席で用いられる皿の裏に「章太郎ゑ」「都をどりはよーいやさ 章太郎ゑ」「大阪へ くだる電車も 朧かな 章太郎絵」「七年の 春をかへして 踊かな 章太郎ゑ」などの文章や句が花柳章太郎の字で書かれている。 都をどりは祇園の芸妓たちの舞踊会で、三代目井上八千代の指導により明治5 年(1872)からはじまった。花街の芸妓の舞踊会としてもっとも古く、のちに東京、大阪などでも同様の会が行われるようになる。 皿に描かれる「つなぎ団子」は串に8つの団子を通したものであり、幕末に祇園の組内の8つの町が一致結束するという意味から考案された祇園の紋章。「つなぎ団子」の意匠を考案したのは陶匠の三代目清水六兵衞といわれており、この図柄を施した皿は、都をどりや祇園祭の茶席でも用いられ長年京都の町で愛されてきた。「都をどりはよーいやさ」の文言が複数の皿に書かれていることから、誰かに贈るために書かれたものとも考えられる。 箱書に「都をどり/皿」「善五郎焼之」印「永楽」とあり、京都の十六代目永楽善五郎のもとで作られたもの。永楽善五郎は京焼の家元で、千家の茶道具を整える千家十職の一つ。 花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成10年(1998)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。
収録されているデータベース
文化遺産オンライン
国や地方の有形・無形の文化遺産に関する情報を公開することなどを目的とした文化遺産のポータルサイト。文化庁と国立情報学研究所が、共同で運営しています。
最終更新日
2026/04/10