解説
紅地に金糸で地を埋め尽くすほどに棒霞を表し、そこに様々な色緯で、火焔太鼓、菊・萩に蜻蛉を表した唐織である。 力強い意匠が組み合わされている。火焔太鼓は雅楽に使用するもので、太鼓の中の三巴文は左巴と右巴とで表され、その周囲に瑞雲、そして火焔が配される。優しげに表現されることが多い菊や萩も、地面から力強く伸び上がっている。蜻蛉は後退しないことから、勝虫の異称をもって武家に好まれた。 この唐織と同趣のものとして毛利家伝来で野田神社所蔵の「紅浅葱段金霞菊桐火焔太鼓模様唐織」がある。これは同じ機で織られたとみられ、菊・萩と火焔太鼓の構図はほぼ同じで、蜻蛉の位置に投桐が配されて菊桐となっている。 本唐織が桐に代えて蜻蛉とし、段を廃して金糸の面積を増したのは、より力強い役での着用を意図してのことであろう。
収録されているデータベース
文化遺産オンライン
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最終更新日
2026/03/03