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アレゴリー-太陽によって赤く染められたのではない赤い木 Allegory: Red Tree Not Reddened by the Sun

解説

 オディロン・ルドンは見えざるものに目を向け、神秘的な世界を描出した象徴主義の画家。当初、ロドルフ・ブレスダンからエッチングを、アンリ・ファンタン=ラトゥールから転写法によるリトグラフ技法を学び、版画や木炭で黒色の作品を手がけていたが、1890年以降、画面に豊かな色彩が加わる。本作でも、鮮やかな赤と沈んだ紫、緑などの色彩が目を引く。  ヴェールを被った人物と腰布のみをまとった人物が並び立ち、その傍らには燃えるように赤い木が描かれる。この二人の人物については様々な考察がなされており、聖母マリアとイエス・キリストとする解釈、右の人物の足元の物体を貝殻とし、ヴィーナスの誕生と紐付ける解釈、さらにはヒンドゥー教と関連させる解釈も提示されている。しかし、いずれも論拠に欠け、決定的な解明には至ってはいない。また、その長いタイトルも誰が付けたのか不明だという。謎の多い作品である。しかし、こうした解釈の難解さが作品の持つ神秘的な雰囲気を深め、強烈な色彩のコントラストとともに、鑑賞者を惹きつけている。 (坂本龍太 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年) [作品名(フランス語)] Allégorie: Un arbre rouge que ne rougit par le soleil

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教育

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2023/05/24