解説
『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』は、一ノ谷での源平合戦を題材とした作品で、源氏の武将熊谷次郎直実(くまがいじろうなおざね)と、平家の公達(きんだち)平敦盛(たいらのあつもり)の戦いを描いた須磨の浦「組討」の場面を描いている。平家の御座船(ござぶね)を目指して波間に馬乗り入れる敦盛を、波打ち際から騎乗の熊谷が扇を掲げて呼び止め、勝負を挑む瞬間である。敦盛、熊谷とも鎧に母衣(ほろ)を背負う騎馬武者姿で、傍らの木陰には、様子を窺う源氏方の平山武者所(ひらやまのむしゃどころ)の姿も見える。また実際の歌舞伎の舞台上には登場しないが、大海原に浮かぶ豪華な御座船とその周りに展開する大船団まで描き込まれていて、迫力ある画面構成となっている。組上燈籠絵として人気のある作品だったらしく、出版年を削って再版されたものと思われる。(組上完成形40cm(幅)×30㎝(奥行)×20cm(高さ))
収録されているデータベース
ARC浮世絵ポータルデータベース
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最終更新日
202607/12/31
