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解説

喜多方市北部の加納鉱山は、昭和47年に閉山するまでの間、主に銀と銅を多く産出し、明治期には産出量において全国的にも注目された時期もあった。そんな鉱山の猛々しい姿はは荒川にとって魅力的な題材だったらしく、たびたび作品に登場している。 本作は横長の大作であり、加納の山を表現するのに、通常の紙面では足りなく、継ぎ足して描かれている。他の鉱山を題材にした作品には、採掘をするのに使用した人工物も描かれることもあるが、本作では山と木々しか描いていない。山の下部、里に近い方には緑が生い茂っているが、中腹は採鉱によってはげ山となっている。山の上の空は青く、その三箇所の対比が鮮やかなコントラストとなって浮かび上がる。はげ山にところどころ残る木々は詳細には描かず、緑の塊として表現することで、全体の力強さを印象づけるのに一役買っている。制作された1937年(昭和12年)は日中戦争が勃発し、日本が戦時下へと突入する頃でもあるが、加納鉱山の産出量はすでに衰退していた。日本全体が資源不足の中、戦争へと突入していく虚しさをも表現したのだろうか。山肌の荒々しさからは、人間の手が自然を破壊してしまった愚かさ、儚さと捉えることもできるが、ふもとから新たな植物が芽生え、再生へと向かう生命力をも予感させる。一風景の中に作者が過ごした時代を見ることができる。

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2026/07/20