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解説

大きさの異なる3隻の帆船が、画面の中にさまざまな角度で配されている。中央の遠景の船は正面観で、右側のものは側面観で、そして潮の満干で浜辺に取り残された左側のもっとも大きいものは斜めの軸を強く意識しながら描かれている。こうした画面の構成は、安定した調和をもたらす黄金分割に基づいており、作品全体を覆う綿密な点描の効果と相まって、英仏海峡を臨むノルマンディー地方の小村であるグランカンの情景に、厳格な性格を与えている。 著名な化学者であり、色彩の研究にも力を尽くしたミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールの『色彩の同時対照の法則について』(1839年)をはじめとする著作を研究したスーラの大作《グランド・ジャット島の日曜日の午後》(1884-1886年、シカゴ美術館)が話題を呼んだのは、最後の印象派展となった第8回印象派展であった。光学、そして色彩理論による科学的な視座から印象派の技法を再検討し、乗り越えようとしたスーラの作品を、美術批評家フェリックス・フェネオンが「新印象派」と命名したのは、同年に開催された第2回アンデパンダン展でのことである。この展覧会に《グランド・ジャット島の日曜日の午後》とともに出品されたのが本作品であり、額縁の装飾も含めた絵画制作を実践していたスーラによる、点描の縁取りが施されている。

メタデータ

教育

利用できない

非商用

利用できない

商用

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資料固有の条件

「無断で転載・複製・改変・頒布・使用することを禁止します。利用についてはポーラ美術館にお問合せ下さい。お問合せフォーム:https://www.polamuseum.or.jp/inquiry/)」

収録されているデータベース

ポーラ美術館コレクション

ポーラ美術館は、2002年に神奈川県箱根町に開館いたしました。ポーラ美術館のコレクションは、ポーラ創業家2代目の鈴木常司が40数年間にわたり収集したもので、西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、東洋陶磁、ガラス工芸、古今東西の化粧道具など総数1万点にのぼります。

2023/03/28