竹取物語
かぐや姫をめぐる奇譚。日本最古の物語とされる
平安時代初期の成立とされる物語。1巻。作者未詳。現存する最古の写本は里村紹巴(さとむらじょうは)筆の元亀元年(1570)奥書本。完本では、天正20年(1592)の奥書をもつ天理図書館蔵本(武藤元信旧蔵本)がある。絵巻や奈良絵本の形でも、数多く描かれている。書名は一般に『竹取物語』と呼ばれるが、正式には『竹取の翁(おきな)の物語』、別称として『かぐや姫の物語』などがある。
作品の構成は、かぐや姫の生い立ち、5人の貴公子と帝の求婚、かぐや姫の昇天の3部からなる。竹取の翁が光る竹の中から見つけた3寸ばかりの女の子は、3カ月ほどで美しい娘に成長し、「なよ竹のかぐや姫」と名づけられる。その美貌を聞きつけて多くの求婚者が現れるなか、特に熱心な5人の貴公子にかぐや姫は結婚の条件として無理難題を課す。5人は要求に応えようと苦心するが、すべて失敗に終わる。最後は帝の求めにも応じず、手紙と不死の薬を残して、八月十五夜、天人に迎えられ、月の世界へ昇天する。
物語の枠組には、小人(こびと)説話や羽衣説話、天人女房譚(たん)、求婚難題説話、地名起源説話、貴種流離説話など、多くの伝承説話の型が用いられている。男女の愛の織りなす物語として美しい虚構の世界を描く一方、当時の貴族社会の腐敗した実態を、ユーモアあふれる筆致で批判的に語り、痛烈な風刺となっている。
『源氏物語』絵合(えあわせ)巻では、竹取物語は「物語の出(い)で来(き)はじめの祖(おや)」と高く評価されており、当時すでに初期仮名物語の代表作品として知られていたことがわかる。これ以前の物語は神話や伝説などで、作者による創作物語という点において、『竹取物語』が日本に現存する最古の物語である。
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日本と東洋の文化財を守り伝える中心拠点としての役割を担う我が国の総合的な博物館です。
明治から昭和にかけて活躍した日本美術院の中心的な画家・前田青邨筆「竹取物語」を所蔵。
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国立近代美術館にて、小林古径筆「竹取物語」、前田青邨筆「竹取物語図屏風」を所蔵。
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所在地は、奈良県天理市。「竹取物語」の伝本のうち、完本ではもっとも古い天正本を所蔵。
富士山とかぐや姫伝説についての常設展示がある。所在地は静岡県富士市。「富士山縁起」に書かれた、月ではなく富士山に帰ったかぐや姫の伝承を紹介している。
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アイルランド・ダブリンの図書館。日本から海外に持ち出された絵巻や奈良絵本、浮世絵などを数多く所蔵。江戸時代初期、狩野派によって作られたとされる竹取物語絵巻を所蔵。デジタルライブラリで、美しい絵巻の画像を見ることができる。
立教大学所蔵の「竹取物語絵巻 全3巻」「竹取物語貼交屏風」(ともに江戸時代中前期)をデジタル化し公開。各巻の詳細な解説と画像を見ることができる。
和紙のちりめん紙の上に、欧文と挿絵を印刷した和綴じ本、通称「ちりめん本」の「竹取物語」を所蔵。
参考文献
- 集英社
- 片桐洋一 [ほか] 著,集英社,片桐, 洋一(1931-)||カタギリ, ヨウイチ <AU01084099> 秋山, 虔(1924-)||アキヤマ, ケン <AU00251308> 伊藤, 敏子(1922-)||イトウ, トシコ <AU00043774> 目崎, 徳衛(1921-)||メザキ, トクエ <AU01047554>
- 角川書店